もう時間に追われない!「1日が24時間じゃ足りない」と感じたら試したい5つの時間術

雑記

「やらなければいけないことが山積みで、一日があっという間に終わってしまう…」「もっと時間があれば、あれもこれもできるのに…」そんな風に、1日が24時間では足りない、と感じることはありませんか。時計の針に追い立てられるような毎日では、心も体も疲れてしまいますよね。

でも、もしその焦りの原因が、時間の「絶対量」ではなく、時間の「使い方」にあるとしたら、どうでしょうか。実は、毎日を心穏やかに、そして充実して過ごしている人たちは、時間を魔法のように増やしているわけではないんです。限られた時間の中で、自分にとって本当に大切なことを見極め、そこにエネルギーを集中させる技術を持っているだけ、なのかもしれません。

この記事では、根性論や難しい理論に頼るのではなく、誰でも今日から実践できる、とてもシンプルな5つの時間術をご紹介します。時間に追われる毎日から卒業し、自分らしい豊かな時間を手に入れるための、具体的なヒントをお伝えしますね。

この記事でお伝えしたいこと

  • 「時間がない」と感じてしまう、私たちの脳の仕組みとは?
  • 一日の生産性を劇的に変える、朝一番の魔法の習慣
  • 集中力を自在に操り、疲れ知らずで作業を進めるテクニック

– 自分の時間を守るための、賢い「やらないこと」の見つけ方

– 最高のパフォーマンスを引き出すための、エネルギー管理術


駅でコーヒーを飲む女性

「時間がない」は思い込みです。

「時間がない、時間がない」と口癖のように言ってしまっていませんか?でも、少し立ち止まって考えてみると、それは本当に「時間」だけの問題なのでしょうか。もしかしたら、私たちの心の中にある「思い込み」や「脳のクセ」が、そう感じさせているのかもしれないんですよ。

まずは、そのメカニズムを少しだけ知ることから始めましょう。自分を客観的に理解できると、問題の本当の姿が見えてきて、心が少し軽くなるはずです。

なぜ私たちは「時間に追われる」感覚に陥るのか

私たちが「やることが多すぎてパニックになる」状態には、いくつかの心理的な要因が関係しています。その一つが「ツァイガルニク効果」と呼ばれるものです。

これは、人は完了した事柄よりも、達成できなかった事柄や中断している事柄の方を、より強く記憶してしまうという心理現象です。「あれも終わっていない」「これも中途半端だ」という未完了のタスクが、頭の中で何度も再生され、私たちの脳のワーキングメモリ(作業領域)を常に圧迫してしまうんです。

その結果、脳は常に緊張状態にあり、目の前のタスクに集中できず、「いつも何かに追われている」という感覚に繋がってしまう、というわけなんですね。

もう一つ、「パーキンソンの法則」というものも、私たちの時間の使い方に大きく影響しています。これは、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」という法則です。

例えば、「1時間で終わらせてください」と言われた仕事は1時間かかり、「3時間で」と言われたら、なぜか3時間かかってしまう。そんな経験はありませんか?私たちは無意識のうちに、与えられた時間枠いっぱいに作業を広げてしまう傾向があるんです。

これらの脳のクセを知っておくだけでも、「ああ、今パーキンソンの法則が働いているな」と、自分を客観視できますよね。まずは、こうした無意識のメカニズムの存在を認めることが、時間術を身につけるための第一歩なんです。

手帳をチェックする女性

時間術の前に、まずは「自分の現在地」を知ることから

具体的な時間術を学ぶ前に、ぜひやっていただきたいことがあります。それは、自分が今、何にどれくらいの時間を使っているのかを「記録」してみることです。地図を持たずに旅に出るのが無謀なように、現状を把握せずに時間の使い方を改善しようとするのは、とても難しいんですよ。

この時間記録は「タイムログ」と呼ばれ、やり方はとてもシンプルです。手帳やスマートフォンのアプリを使って、15分〜30分単位で、その時間に行ったことをメモしていくだけ。

【タイムログの記録例】

  • 7:00-7:30 起床、身支度
  • 7:30-8:00 朝食、ニュースチェック
  • 8:00-9:00 通勤(SNS、読書)
  • 9:00-9:30 メールチェック、返信
  • 9:30-10:00 A社との打ち合わせ

これを1週間ほど続けてみると、きっと驚くような発見があるはずです。「なんとなく見ていたSNSに、1日2時間も使っていた」「会議と会議の間のスキマ時間が、意外と多いな」「この作業、思った以上に時間がかかっているんだな」など…。

このタイムログの目的は、自分を責めることでは決してありません。自分の時間の使い方を客観的に、そして価値判断をせずに見つめることが大切です。家計簿をつけて、お金の流れを把握するのと同じですね。この記録こそが、後でご紹介する時間術を、より効果的に実践するための、揺るぎない土台となってくれるのです。


ホワイトボードで説明するビジネスマン

時間を「増やす」のではなく「密度」を高める時間術

時間は、誰にでも平等に1日24時間しか与えられていません。だからこそ、時間術の本質は、時間を物理的に「増やす」ことではなく、限られた時間の中で、いかにパフォーマンスを高め、充実した活動を増やすか、つまり時間の「密度」を高めることにあります。

ここからは、そのための具体的で、すぐに実践できる時間術をご紹介していきますね。

時間術1:朝一番にカエルを食べる「イート・ザ・フロッグ」

「カエルを食べる」なんて、少し驚くような名前ですよね。これは、アメリカの作家マーク・トウェインの「もしカエルを食べなければならないのなら、朝一番に食べなさい」という言葉に由来する、とても有名な時間術です。

ここで言う「カエル」とは、「その日やるべきことの中で、最も重要で、そして最も気が進まない、厄介なタスク」のこと。この一番嫌なタスクを、意志の力が最も充実している朝一番に、さっさと片付けてしまおう、という考え方なんです。

朝一番に最も大変な「カエル」を食べてしまえば、その日一日は、残りのタスクがすべて簡単なものに見えてきます。大きな達成感とともに一日をスタートできるので、精神的にも非常に楽になりますよね。

逆に、嫌なことを後回しにするとどうなるでしょうか。その「カエル」の存在が一日中頭の片隅にちらついて、他の作業への集中力を奪ってしまいます。これこそ、先ほどお話しした「ツァイガルニク効果」そのものですね。

あなたの「カエル」は何でしょうか?

  • 締め切りの迫った企画書の作成
  • 気難しい相手への電話連絡
  • 大量のデータ入力作業
  • 部屋の片付け

朝のゴールデンタイムを、この「カエル」退治のために使う。それだけで、あなたの一日の生産性と心の平穏は、劇的に向上するはずです。この考え方は、ブライアン・トレーシーの著書『カエルを食べてしまえ!』で詳しく解説されており、世界中のビジネスパーソンに実践されています。

デスクの上のスマートフォンと時計

時間術2:集中力の波を乗りこなす「ポモドーロ・テクニック」

「よし、やるぞ!」と意気込んで机に向かったものの、ついスマホを触ってしまったり、他のことが気になったりして、なかなか集中力が続かない…。そんな経験はありませんか。

人間の集中力は、残念ながら長時間持続するようにはできていません。その性質を逆手にとって、意図的に短い集中と休憩を繰り返すことで、結果的に高い集中力を維持する。それが「ポモドーロ・テクニック」です。

やり方は驚くほどシンプルです。

  1. やるべきタスクを決める。
  2. キッチンタイマーやスマホのアプリで、タイマーを「25分」にセットする。
  3. タイマーが鳴るまで、他のことは一切せず、そのタスクだけに集中する。
  4. タイマーが鳴ったら、作業を中断し、「5分間」の短い休憩をとる。
  5. この「25分集中+5分休憩」の1セットを「1ポモドーロ」とし、これを4回繰り返したら、15分〜30分の長めの休憩をとる。

このテクニックの素晴らしいところは、「たった25分だけなら頑張れる」という心理的なハードルの低さにあります。そして、5分間の休憩があることで、脳がリフレッシュされ、次の25分もまた新たな気持ちで集中できるんです。

5分間の休憩中は、必ずパソコンやスマホの画面から離れるのがコツです。席を立ってストレッチをしたり、窓の外を眺めたり、お茶を飲んだりして、脳を意識的に休ませてあげましょう。

このポモドーロ・テクニックについては、提唱者であるフランチェスコ・シリロ氏の公式サイト(英語)で、その哲学や詳細な手法が公開されています。集中力に悩んでいる方は、ぜひ一度試してみてくださいね。


電話をするビジネスマン

最高のパフォーマンスは「エネルギー管理」から

どんなに優れた時間術を知っていても、それを実行するためのエネルギー、つまり集中力や体力がなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。本当に賢い時間の使い方ができる人は、時間だけでなく、自分自身の「エネルギーレベル」を管理することの重要性を知っています。

ここからは、自分のエネルギーを最大限に活用し、一日を通して高いパフォーマンスを維持するための時間術をご紹介します。

時間術3:「やらないこと」を決める勇気

時間を生み出すための、最もシンプルで、そして最も効果的な方法は何だと思いますか?それは、「やらなくてもいいことを、やめる」ことです。

私たちは知らず知らずのうちに、多くの「やるべきこと」を抱え込んでしまっています。しかし、そのすべてが、本当に重要で、価値のあることなのでしょうか。

ここで役立つのが、「パレートの法則(80:20の法則)」という考え方です。これは、「成果の80%は、全体の20%の活動によって生み出されている」という法則です。これを自分のタスクに当てはめてみると、本当に重要なことは、実はごく一部だということに気づかされます。

自分のタスクリストを眺めながら、自問してみてください。

  • このタスクは、自分の目標達成に本当に繋がっているだろうか?
  • これをやめたら、何か本当に困ることがあるだろうか?
  • これは、もっと簡略化できないだろうか?
  • これは、自分以外の誰かにお願いできないだろうか?

例えば、完璧を目指して延々と時間をかけている資料作り、惰性で参加しているだけの会議、すべてのメールに即座に返信しようとする習慣…。これらは、本当にあなたの成果に繋がっているでしょうか。

勇気を出して、「やらないこと」を決める。そのために「Not-To-Doリスト」を作ってみるのもおすすめです。自分の時間とエネルギーを、本当に重要な20%の活動に集中させる。それこそが、最小の労力で最大の成果を出すための、究極の時間術と言えるかもしれませんね。

時間術4:脳の負担を減らす「バッチ処理」

私たちの脳は、異なる種類の作業を切り替える(コンテキスト・スイッチング)のが、実はあまり得意ではありません。メールを書いていたかと思えば、資料を作成し、また電話に対応する…といったように、作業が頻繁に切り替わると、その都度、脳に大きな負荷がかかり、集中力が削がれてしまうんです。

この脳の負担を減らし、効率を上げるためのテクニックが「バッチ処理(タスク・バッシング)」です。これは、似たような種類のタスクは、まとめて一気に片付けてしまおう、という考え方です。

【バッチ処理の具体例】
メール処理:メールが届くたびに対応するのではなく、「朝9時」「昼1時」「夕方4時」など、1日に2〜3回、時間を決めてまとめて処理する。
電話連絡:かけるべき電話はリストアップしておき、特定の時間帯にまとめてかけてしまう。
事務作業:経費精算や書類整理などの事務的な作業は、週に一度、「金曜の午後」などと時間を決めて集中して行う。
外出の用事:買い物、銀行、郵便局、役所の手続きなどは、できるだけ同じ日にまとめて済ませる。

料理で言えば、野菜をまとめて切っておいたり(下ごしらえ)、作り置きのおかずを一度に作っておいたりするのと同じですね。同じモードで作業を続けることで、リズムが生まれ、驚くほどスムーズにタスクが進んでいくのを実感できるはずです。

時間術5:自分の「ゴールデンタイム」を最大限に活用する

最後にご紹介するのは、自分自身の生体リズムを理解し、それを味方につける時間術です。人にはそれぞれ、一日の中で、最も頭が冴え、集中力が高まる「ゴールデンタイム」が存在します。

朝型の人は午前中に、夜型の人は午後や夜に、そのピークが来ることが多いですよね。この、自分が最もパワフルな時間帯に、どんなタスクを割り当てるか。これが、一日の生産性を大きく左右する鍵となるんです。

自分のゴールデンタイムを見つけるためには、先ほどご紹介した「タイムログ」が役立ちます。どの時間帯に集中できていたか、どの時間帯に眠気やだるさを感じていたかを振り返ってみましょう。

そして、自分のゴールデンタイムが分かったら、その貴重な時間には、

  • 企画のアイデア出しや、文章の執筆などの「創造的なタスク」
  • 難しい問題の解決や、重要な意思決定
  • 自己投資のための勉強や、スキルの習得

といった、最も頭を使う、重要度の高いタスク(第2領域のタスク)を割り当てるようにします。

逆に、お昼ご飯の後で眠くなる時間帯や、一日の疲れが出てくる夕方など、エネルギーレベルが低い時間帯には、メールの返信や単純なデータ整理など、あまり頭を使わなくてもできる作業を割り当てます。

このように、タスクの性質と、自分自身のエネルギーレベルをマッチングさせることで、無理なく、そして効率的に一日を過ごすことができるようになるんですよ。

「1日が24時間じゃ足りない」を卒業する時間術の総括

ここまで、時間に追われる毎日から抜け出し、自分らしい時間を手に入れるための、5つの具体的な時間術をご紹介してきました。最後に、その大切なポイントをまとめてみましょう。

総括:毎日を輝かせる5つの時間術

    • イート・ザ・フロッグ:朝一番に、最も重要で厄介なタスクを片付けて、一日を楽にする。

ポモドーロ・テクニック:「25分集中+5分休憩」のリズムで、集中力を持続させる。

やらないことを決める:成果に繋がらないタスクはやめる勇気を持ち、本当に重要なことに集中する。

バッチ処理:似たような作業はまとめて行い、脳の負担を減らして効率を上げる。

ゴールデンタイムの活用:自分のエネルギーが最も高い時間帯に、最も重要なタスクを割り当てる。

時間術は、自分をルールで縛り付けるための窮屈なものではありません。むしろ、自分にとって本当に大切なことを見つけ出し、そこに貴重な時間とエネルギーを注ぎ込むための、人生をより豊かにするための翼のようなものだと、私は思います。

今日から、まずはタイムログをつけてみることから始めてみませんか。その小さな一歩が、時間に追われる毎日から、時間を主体的にデザインする毎日へと変わる、大きなきっかけになるはずですよ。